Z級駆逐艦
K.M.S Zclass Destroyer
病弱な体で奮闘した使用人達
<使用キット>
T社Z級バルバラ改修
<実艦解説>
俗にナルビク級とも呼ばれる、1936年度の計画で建造されたZ23以降の大型駆逐艦です。英仏の駆逐艦、特に仏の超駆逐艦に対抗して建造され、軽巡並みの15センチ砲を搭載しています。
これらの駆逐艦が竣工した時は、開戦直後に独駆逐艦は12隻も失われたばかりで、独海軍の期待を担っていました。
しかしながら、39ノット近い高速を出すための高圧のワグナー蒸気機関が故障がちで満足に稼動できないこともありました。さらに航続力も不足しており、主力の戦艦の護衛を途中で切り上げなければならないほどでした。シャルンホルスト沈没時に、護衛駆逐艦が1隻もいなかったのはそのためです。
とはいえ、対ソ船団やノルマンディー侵攻船団への襲撃。機雷敷設や輸送、船団護衛とあらゆる任務に奮闘。終戦間際のダンチッヒ撤退戦には、稼動全艦が出動し難民や兵士の輸送と陸軍への砲撃支援に奮闘します。(今回掲載の3艦は、この撤退戦参加時を想定して製作しています)
■Z25
1936年A型(Z23型)
このクラスより、主砲が48口径15センチ砲になります。当初は、艦首砲は単装でしたが1942年以降に連装砲に換装。
Z25は、北極海でのソ連支援船団襲撃に度々参加。英軽巡エジンバラ撃沈に一役買っています。
ライトグレー(324)と、草色(134)を調色したダークグリーンで迷彩。
■Z38
1936年A臨戦型(Z31型)
竣工時より、艦首に15センチ連装砲装備。
北岬沖海戦に、「シャルンホルスト」の護衛として参加。(途中で分離、帰還していますが))
ライトグレー(324)と、ミディアムブルー(72)、ジャーマングレー(40)で迷彩。箱絵のイメージで、実際にはこういう迷彩は無いようです。
■Z43
1936年B型(Z35型)
主砲を従来の45口径12.7センチ砲に戻したタイプです。
15センチ砲は、装薬が分離方式で装填に時間がかかり不評だったためです。
<模型解説>
グリーンマックス、ピットロード、タミヤと転々したキットです。独駆逐艦キットとしては唯一のインジェクションで安価なこともあり、かれこれ7隻も作ってます。(現存3隻)
古いキットですが、舷窓開けや船体と船底板とのすり合わせをしっかり行えば綺麗に仕上がります。省略された小パーツを加えれば、もっといいでしょう。
少し手を加えるだけで、1936年A型から未成の1936年C型まで多様なバリエーションを楽しめるのも特徴です。
■他国の駆逐艦との比較
やはり、Z級は大きいです。
しかしながら、武装のバランスや航続力、航洋力を勘案すると日本の甲型駆逐艦が一番優秀な気がします。
■要目(1936年A臨戦型)
■排水量:2,603t(基)
■全長:127.0m
■全幅:12.0m
■出力:70,000hp
■速力:38.5kt
■航続距離:19ktで2,300海里
■乗員定数:332名
■武装:48口径15cm連装砲1基、同単装砲3基、37mm連装機関砲6基、20mm連装機関砲2基、、同単装2基、53.3cm4連装魚雷発射管2基、機雷60個もしくは爆雷搭載可能(投射機4)