蒼海のブラック・プリンセス
〜とある超甲巡の地中海リポート〜
※これは、当HPの「ノーデンフェルト皇国」世界での1944年後半位の地中海戦線からのニュース映画とでも思ってください。
「日本のみなさん、ごきげんよう。日英連合のアイドル、黒姫です。え?誰かって?日本海軍が建造した、超甲巡の二番艦『黒姫』の船魂というやつです。画面ではお見せできませんが、実体化すると黒いセーラー服にロングヘアが魅力の美少女です。」
「よく戦艦『大和』に似ていると言われる私ですが、写真で分かるように私の方がずっとスマートです。…メリハリにかけて貧乳と言う人には、もれなく31cm砲の艦砲射撃がついてきますよ?」
「この艦容にも理由があります。夜襲部隊の旗艦として、重巡洋艦と行動を共にする速力が期待されたからなのです。それは、欧州を席捲したナチスとの戦いにおいて遺憾なく発揮されています。」
「現在、私がいるのは地中海。インド洋の制海権を掌握した連合国は、今政情不安なイタリアの瓦解を狙ってシチリア島への攻勢をかけています。その現地部隊としての第八艦隊の旗艦をしています。第八艦隊は巡洋艦以下の戦力からなり、周囲の制海権の確保が主任務。そのため、前線への輸送の護衛が多いです。
シチリアは制空権が不安定なので、高速船を中心とした編成での強行輸送も行われます。連合国では高速輸送船は貴重で、正規の軍艦も物資や陸兵を搭載する事もあります。この時は、敷設艦「津軽」が輸送任務に当たってます。」
「地中海に展開しているのは、日本や英国だけでは無かったりします。祖国を追われたノーデンフェルト海軍や、軽巡を戦時下の日本から購入した見返りに参戦しているタイ王国海軍などもいます。
これは、私が食事、すなわち洋上給油を受けてる場面ですが、タイのスループ『メークロン』が『神風』と共に周囲を警戒しています。タイの装備は日本製が多いので、共同作戦はやりやすいようです。」
「また、第八艦隊は便利屋として使われる事もあります。イタリア南部の航空撃滅作戦時は、軽空母主体の四航戦の護衛を行っていました。後ろには、その四航戦旗艦の『瑞鳳』が見えますね。」
「また、地中海方面では意外と枢軸艦隊の活動が活発で海戦も多いです。私も地中海へ進出したばかりの頃に、輸送任務中のイタリア軽巡2隻と遭遇していたりします。その時は、私が先制攻撃で2隻とも撃沈。以来、『ブラック・プリンセス」との異名を敵から頂きました。
…ぶっちゃけ、目の敵のされているようです。この間も、船団を間接護衛時に独伊の巡洋艦から集中射撃をうけました。
ボルチモア級改の独の「シグナム」、伊軽巡「ジュゼッペ・ガリバルディ」です。両艦とも、欧州巡洋艦の中では火力・装甲共に強いので苦戦しました。」
「さらに、つい先日はリットリオ級戦艦とも交戦しました。イタリア戦艦はブリキじゃないんですよ?
主砲は高初速だは、装甲は厚いは。ただ、発射速度は遅いので、手数の多い私の31cm砲の集中射で難は逃れましたが。」
「さて、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。今回のレポートはここまでです。シチリアを落としても、イタリアが戦線離脱するのか。さらには、悲願の英本土奪還のためには、ジブラルタルを攻めるのか、搦め手のアイスランドを攻めるのか。先行きの見えない戦争ですが、日本のみなさんにまた会えることを願ってます。
…はて?こんな時間に空襲ですね。いまどき旧式のスツーカで来るとは、長10cmの餌食にしてあげます。…あれ、でも乗っているパイロットの顔が映画とかで見たような」