戦艦 比叡
I.J.N. Hiei
妹の復仇を果たさんとする次女
<使用キット>
フジミ製 「比叡」
<実艦解説>
「比叡」は金剛級巡洋戦艦の2番艦として、1914年8月4日に竣工しました。国内で作られた初のド級艦であり、竣工時は世界最強の巡洋戦艦ということで、日本海軍の期待を担っての登場でした。
ロンドン軍縮条約において、戦艦としての「比叡」は保有できなくなり、練習戦艦に種別変更になります。装甲が撤去され、速力も低下した「比叡」ですが、逆に観艦式では天皇陛下のお召艦を務め、広く国民に親しまれることになります。
軍縮条約失効後の、1937年4月1日に戦艦としての近代化改装を開始。この改装は、「大和」級戦艦で用いる装備のテストヘッドとしての側面もあり、艦橋も姉妹艦よりも「大和」級に似た艦橋になります。装備も、98式射撃盤を装備するなど、「金剛」級の中で一番優れた物を装備。
■空母直衛艦
「比叡」は「霧島」とともに、真珠湾攻撃部隊の空母群の護衛として、WW2を迎えます。その後も、南雲機動部隊の護衛として、セイロン沖海戦、ミッドウェー海戦、第二次ソロモン海戦、南太平洋海戦に参加。日本戦艦群の中でも、随一の活動範囲の活躍をします。
■ソロモンに死す
1942年11月12日深夜。ガ島への陸軍部隊増援を成功させるために、飛行場を砲撃すべく、「比叡」は「霧島」と共に突入。
サボ島とガ島に挟まれた「ザ・スロット」と呼ばれる海域で、米巡洋艦群と至近距離での乱戦になります。この戦闘で、「比叡」は探照灯照射を行い、味方艦の射撃援護に成功しますが、集中砲火を一気に浴び、艦橋大破、舵故障の大損害を受けます。
翌朝、ガ島飛行場と「エンタープライズ」からの空襲が始まると、機関も故障するに至ります(誤報の説もあり)。復旧のみこみなしとして、自沈処分となってしまいます。
<設定>
今回は、第三次ソロモン海で沈まなかったら…という設定です。
超甲巡が1942年に戦力化された世界。
南太平洋作戦でデビューし、第三次ソロモン海戦に参加した2隻の超甲巡の援護により、「比叡」は大破しながらも内地へ帰還します。
内地で損傷を修理の上で、副砲を撤去し高角砲を増備した「比叡」は機動部隊の直衛艦として復帰。
1944年10月。レイテ沖海戦に小沢艦隊の護衛として「比叡」は、苛烈な戦いに参加していきます。
<模型解説>
最近流行りとなってる木甲板シートを試してみたくなったのが製作のきっかけです。
せっかくなので、金剛級のうち、旧フジミ、ハセガワ、新フジミのいずれでも作ったことの無かった「比叡」をチョイス。
木甲板シートの威力は絶大で、今まで苦労した甲板の仕上がりが自然な感じに。甲板の塗り分けがいらないので工期短縮にもつながりました。
また、史実の「比叡」は対空兵装増強前のシンプルな姿でしたが、いつもの末期戦病を発症。架空の対空火器増強を施してみました。
副砲を全撤去し、フジミ「金剛」からパーツを流用したりして、対空火器を増強しました。もしソロモン海戦から帰ってきた場合は、艦橋もシンプルな形状に修復されたと思いますが、今回は電探関係以外はストレートに組んでみした。
■要目
■排水量:32,156t(基)
■全長:222.0m
■全幅:31.0m
■出力:136,000馬力
■速力:30.5ノット
■兵装:45口径35.6p砲連装4基、40口径12.7p連装高角砲8基、25o3連装機銃22基、同連装2基、同単装19基