輸送船 恵泉丸
I.J.A keisen-maru
戦渦にもまれた令嬢
<使用キット>
A社 春日丸
<設定>
日本陸軍に徴用され、兵員輸送船にされた欧州航路向けの高速豪華客船である。
速力を争うブルーリボンを狙った意欲的な客船で、姉妹船たる新田丸級より機関を強化したため二本煙突になっている。また、サービス向上と軽量化による速力向上を狙いデッキが一段低くなり、客室数は減少している。
しかしながら、第二次世界大戦の勃発により、竣工と同時に陸軍に徴用された。
一等船室やサロンの豪華な内装は撤去され、船倉の一部も兵員輸送用の蚕棚に改装された。
本船は、陸軍の虎の子の軍隊輸送船として活躍。
高速と、民間船時代からの優秀な乗員の手により、何度も敵潜水艦の雷撃を回避している。
<模型解説>
A社の春日丸三姉妹は、1/700の客船として貴重で手頃なキットで、これまでに4隻ほど作っています。
部品の合わせ目等、今日の目で見ると辛い点も多いですが、安価なので架空艦の母体や情景模型の一部としてはオススメです。
今回は、当初、米艦に偽装した仮装巡洋艦にする予定で着工したのですが。
米艦の迷彩に関する、当方の資料不足もあり、塗装に失敗。
空母「瑞鳳」に使用する迷彩の試験を兼ねて、陸軍輸送船にしました。なので、甲板はデッキブルーのままです。本来は、濃いグレーか商船時代のままの甲板色です。船体は、クレオスの草色(134)を調色。大戦末期の外舷色系統の迷彩は、天候によっては灰色にくすんで見えるほどだったらしいので、こんなイメージかと。クレオスなどから出ている外舷色は、個人的には明るすぎるように思えるのです。
武装は、廃艦にした空母「雲鷹」から流用。浅間丸をイメージして、煙突を増やしました。
また、戦時中の完成ということで、「阿波丸」や「三池丸」を参考にマストの短縮や、艦橋の低層化をしています。
■前方より
全体的に、構造を低くしたので、精悍さを増したと思います。
■後方より
後部には小発や大発を搭載。
前後部の砲座には、陸軍の7センチ高射砲を搭載しています。