キャノン級 護衛駆逐艦
Cannon Class (DET) Destroyer Escorts
幅広く末長く使われた量産艦
<使用キット>
PT社 キャノン級護衛駆逐艦
<実艦解説>
米海軍の護衛駆逐艦は、英国向けの貸与艦として1941年8月15日の大統領令で建造が始まりました。そのため、初期に計画された「エヴァーツ」級を筆頭に英国式の露天艦橋になっています。
キャノン型は、ディーゼル・エレクトリック機関を搭載し、やや大型化した船体と3インチ砲を装備するのが特徴です。搭載機関の形状からDET(Diesel Electric Tandem motor drive)との形式名もあります。「エヴァーツ」級に比べ燃料搭載量も増え、航続距離は巡航12ノットで一万浬を越えます。
72隻が竣工して、戦時中に6隻がフランスへ、8隻がブラジルに供与され、戦後により外国への貸与・供与艦となった艦も多数あります。
キャノン型で有名な艦には、不可視化実験(俗に言うフィラデルフィア・エクスペリメント)に参加したと言われるDE173「エルドリッジ」。海自に貸与され護衛艦「あさひ」となった後に、今もフィリピンで「ラジャー・フマボン」として現役のDE169「アサートン」等があります。
今回製作したのは、1948年に中華民国(台湾)に供与された元DE102「トーマス」の「太和(タイ・ホー)」。1944年に自由フランス海軍に貸与された「セネガレ」です。両者とも、二次大戦中に大西洋でUボートを撃沈する戦果を挙げています。
<模型解説>
戦車模型に華を添えるのが歩兵のフィギュアなら、艦船模型に華を添えるのは駆逐艦等の補助艦艇。
という事で、「丹陽」と「リシュリュー」に添えるために作りました。
「太和」は、雷装を残し、「丹陽1955」と同様のメジャー22塗装。「セネガレ」は雷装撤去の対空兵装強化型で、PTカラー16番のオーシャングレーを使いました。
■「丹陽」と「太和」
1950年代の台湾海軍のイメージです。この2艦が組んでの作戦は、充分ありえたと思います。
■「リシュリュー」と「セネガレ」
二次大戦後期から、1960年代まで共にフランス海軍に在籍していました。ただ、速力の違いから共に行動した事はあまり無いでしょう。
■要目
■排水量:1,240t(基)
■全長:93.27m
■出力:6,000hp
■最大速力:21.0kt
■乗員定数:200名
■兵装:50口径3inch単装砲3基、40mm連装機関砲1基(雷装撤去艦は3基)、20mm単装機関砲8基(一部の艦は10基)、21inch3連装魚雷発射管1基、ヘッジホッグ投射機1基、爆雷搭載数不明(投射機8、投下軌条2)