戦艦 ワシントン

U.S.S. Washington
米戦艦中、最大の殊勲艦


 <使用キット>
 ピットロード 「ノースカロライナ1944」

 <実艦解説>
 「ワシントン」は、ノース・カロライナ級戦艦の二番艦として、1940年4月9日に竣工。慣熟訓練の最中に、日米が開戦します。開戦僻頭、真珠湾で太平洋艦隊の戦艦群が壊滅したことから、「ワシントン」は米海軍にとって貴重な主力戦艦となります。
 最初は、大西洋で「ティルピッツ」の脅威に備えての間接船団護衛をしていた「ワシントン」ですが、米海軍の苦境により太平洋へ転戦。
 南太平洋海戦の結果、可動空母がゼロになった隙に、日本軍はガダルカナルでの反攻を企図。高速戦艦の艦砲射撃で飛行場を叩き、増援部隊を送り込もうというものです。

 11月14日。12日の海戦で「比叡」を失った日本海軍ですが、再び「霧島」「愛宕」「高雄」を主力とした艦隊でガ島海域に突入します。米海軍も多数の巡洋艦が戦列を離れており、いきおい「ワシントン2戦艦に、迎撃が任されることになります。

 ■「霧島」撃沈
 第三次ソロモン海戦第二夜戦は、当初は日本側に有利に動きます。
 米の前衛の駆逐艦は、日本の「綾波」により大損害を受け、前衛としての戦力を喪失。
 続いて、エンジン室の漏電が原因で停電した「サウス・ダコタ」が、一方的に砲撃を受け後退。
 日本艦隊の飛行場砲撃を阻止できるのは「ワシントン」ただ一隻になってしまいます。
 

 同士撃ちの心配が無くなった「ワシントン」は、「霧島」めがけて至近距離から、40cm砲を発射。
 日本側は、「ワシントン」が主砲を発射するまでその存在に気付かず、不意打ちになりました。「霧島」は至近距離から、すくなくとも9発の40cm砲弾を被弾。その後、舵が故障したため自沈します。
 「ワシントン」は、一発も命中弾を受けずに退避に成功してます。

 ■その後
 「ワシントン」による「霧島」の撃破により、日本側の増援部隊輸送は失敗。やがて、日本軍はガ島から撤退を余儀なくされます。
 「ワシントン」は、その後もギルバート、マーシャル攻略。マリアナ沖海戦や、硫黄島攻略や沖縄攻略作戦に参加。この間、僚艦「インディアナ」との衝突による艦首損傷以外は、目立った損傷を受けない強運ぶりを発揮します。
 米戦艦の中でも単艦による敵戦艦撃沈を果たした最大の殊勲艦でしたが、記念艦となることなく、1960年にスクラップにされてしまいました。

 <模型解説>
 キットは、ピットロードの「ノースカロライナ1944」です。「ワシントン」は現在では絶版に近く、「ノースカロライナ」が買えただけでも僥倖でした。(連携企業のトランペッターからは、いまだに発売されているようです)
 見つけた時は、喜び勇んで買って、さっそく作り始めたものの、すぐに頓挫。…理由は、船体、甲板、船底板の合いがすさまじいまでに合わなかったからです。
 その後、購入から2年くらいたった2010年末になって、工事再開。まず、船尾を切断・短縮して、甲板を接着。その後、隙間をパテで埋め、船底板は、0.3mm厚のプラ板で作り直しました。
 船体が組みあがってからは、工事の進みは早かったです。上部構造物は合いが悪いので、入念な仮組みと調整。武装はタミヤの「ミズーリ」の物と交換し、主砲は真鍮砲身に。
 「ワシントン」と「ノースカロライナ」の、1944年における差は少ないです。「ワシントン」が、戦中ずっとSKレーダーをフォアマストに装備し、補助のレーダーは装備しなかった程度。1945年に復元性回復のため、20mm機銃を一部降ろしたそうですが、今回は目いっぱい装備の1944年仕様としました。基本は素組みです。
 塗装は、メジャー22。すなわち、甲板はクレオス333、船体上部はクレオス308。下部はネービーブルーを明るく調色した物です。

 ■アオシマのキットとの比較
 アオシマのキットは1970年代の開発なので、表現や金型技術の関係上、ピットのキットと大差があります。
 しかしながら、現在のところピットの「ワシントン」は国内での入手が困難なので、リニューアルが待たれます。

 

 ■要目(1945年)
 ■排水量:38,400t(基)
 ■全長:222.1m
 ■全幅:33.0m
 ■出力:121,000馬力
 ■最大速力:26.8ノット(竣工時より低下)
 ■武装:45口径40.6cm3連装砲3基、38口径12.7cm連装両用砲8基、40mmボフォース4連装機関砲15基、20mmエリコン機関砲67門

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